また誰かが辞める?介護10年、私の胸に響いたその時の気持ち

揺れるカーテン 夕暮れの窓際 ぽつんと椅子がある室内(孤独感と落ち着きの両方を)

「餞別が一人、〇〇〇円なるよ」

職員同士の会話がふと耳に入った、その言葉。

ああ、また誰かが辞めるんだ──
そう気づいた瞬間、胸の奥がひゅっと冷たくなるのを感じました。

「誰? まさか…」

そう思ったら、やっぱり。

一緒に頑張ってきた、あの同僚の名前でした。

先月も2人が辞めたばかり。

「もうこれ以上は続かないよね」と自分に言い聞かせていた矢先のことでした。

気づけば私は、介護の仕事を始めて10年が経ちました。

いろんな人と出会って、そして、いろんな人を見送ってきました。

その数、たぶん20人近く。

ひとり、またひとりと去っていく背中を見送りながら、どこかで毎回、自分の心の一部が削られていくような感覚がありました。

「私、何やってるんだろう」
「このまま続けて、私は大丈夫なんだろうか」

そんなふうに思ってしまう日は、正直、少なくありません。

それでも私が続けているのは、小さな“ありがとう”や笑顔の日々が確かに心を支えているからです。

「ありがとう」のひとこと。

「今日も助かったよ」の笑顔。

ちょっとした会話の中で、心がほっとしたあの瞬間。

目立たないけど、確かにあったあたたかい時間たちが、今の私を、ここまで連れてきてくれたのだと思います。

ショックを受けたっていい。

悲しくなったっていい。

それは、頑張ってきた証拠です。

誰かを大切に思ってきた証しです。

そして何より、
それでも前を向きたいって思えているあなたは、
もうすでに、ちゃんと前に進んでいる。

人の出入りが多い職場で、自分だけ取り残されたような気持ちになることもあるけれど、あなたがそこにいること、それだけで誰かの安心になっている。

今日もなんとかやり過ごせた自分に、そっと「よくやったね」と声をかけてあげてください。

40代って、いろんなことが重なって、ふと立ち止まりたくなる年齢ですよね。

だけど、あなたが選んできた毎日は、ちゃんと意味がある。

そしてこれから先、あなたの時間がもっとやさしく、あたたかく流れていきますように。

今日は心が少し疲れているなら、深呼吸して、少しゆっくりしてくださいね。

誰かのためじゃなく、自分のために。

読んでいただき、ありがとうございました!

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